バロンダンス
バリ島では、200種類ダンスがあります。儀式のためダンス、人に見せることを目的としないダンス、お面をつけるダンス、男だけのダンス、女だけのダンス、など色々です。しかし、ほとんどのダンスは古い物語りに基ずくのです。つまり、ダンスそのものの動きと形が物語りの流れを表現するということです。
ダンスも例外ではありません。このダンスはバロンとランダとの戦いを描いたものです。
バロンというのは聖なる獣、成獣で善を代表しています。いっぽう、ランダは魔女で、悪を代表しています。バロンは日本や中国にあるししまいのししと、とてもよく似ています。そして、バロンは悪霊を静める力を持っています。いっぽう、ランダは、悪霊の姿とそっくりで、11世紀頃ジャワー島から黒魔術(BLACK MAGIC)とともに入ってきたものと言われます。バロンもランダもバリ島のどの村にもたいていひとつずつおかれていて、ガルンガンというバリのオボンの日には、村を練り歩きます。実はバロンダンスはかつては、村や町で疫病や災害などが起こった時に、おこなうものでした。
災いをお祓いして、清めることを目的とする儀式ようのダンスだったのです。それがバリ島に観光客がたくさんやってくるようになってから、ダンスの内容が意図的にARRANGEされて、今見られるようなダンスにないました。 |